ミートホープ社の記事ざっと読み

さて、仕事にまったく関係がないわけではない、というよりもそりゃもう関係があるのでいろいろと興味深く見ておったのですが、毎日次から次へと予想通りの展開になってもうこりゃこりゃ、というほかありません。
そういえば第一報ってちょうど一週間前だったんですよねえ。
ざっといろんな記事を拾ってみました。こうしてみると、内部告発から始まって、ミンチ(豚の混入→豚+鶏+その他雑肉を主成分→ついでにパンとか合成調味料とか)、コロッケ(冷凍食品のリパック)、その他肉製品、と次々と芋づる的に暗部が明らかになってきた様子が分かります。社長の発言もあって、ああ、この会社ってこういう会社だったんだなあ、とか、職に対する信頼ってまったくなくなっちゃったなあ、とか思いますね。


「申し訳ない。何らかの原因で(豚肉が)たまたま検出されたのかもしれない」


「工場長から『(牛)肉が足りないので(豚肉を)使ってもいいか』と相談を受け、容認したことをあらためて思い出した。自分で(混入を)発案したこともあった」
「(消費者には)分からないだろうという気持ちがあった」


「混ぜれば、わからないと思った」「忙しい時に機械を洗浄しなかった。ずさんな管理だった。認識が甘かった」(中略)
それによると、この間に少なくとも94製品のミンチを製造。うち「牛」は41製品で、その約4分の3に当たる28製品に豚の心臓などを混入した記録がある。混ぜものは多岐にわたり、「チャーシュークズ」「ラムクズ」「カモ」との記載もある。
 さらに「牛(2)」「豚(2)」の表記もある。(2)は「2度びき」を意味しており、くず肉など様々な素材を2回重ねてミンチすることで、元の素材がわかりにくくなる効果がある、と元幹部らは解説している


「牛肉のトリミング(くず肉)に豚肉のトリミングをあわせて作ろうという話をした」
「7、8年前から最近までやっていた。毎日のようにやっていた時もある」
「当時は違法との認識もなかった」「社会も『食の安全』に厳しくなかった」


「賞味期限が切れているから早いとこ出しちゃえ」


「(コロッケを)買ったことも、売ったこともない」「(元社員の証言は)信用できない」


賞味期限の改ざんについて、田中等取締役は「(田中)社長はあったかもしれないと発言している」と語り、二十二日未明の田中社長の否定発言を撤回した。
 改ざんの時期や頻度は「把握しきれていない」としながら、賞味期限切れが近い冷凍食品を格安で大量に買い取った上で、期限を遅らせて転売したなどの改ざん行為は「そうとられても仕方ない」と述べた。


同省の立ち入り検査は日本農林規格(JAS)法に基づき、22〜24日に実施。社員から事情を聞き、帳簿や伝票も確認した。同省によると、98年ごろに始まった牛肉ミンチの偽装のほか、2002年ごろからは牛脂に豚脂を混ぜながら牛脂と表示する不正も行っていた。また、約15年前にはシカ肉ジャーキーに羊肉を使ったことがあったほか、約24年前には、豚のひき肉に加熱調理した焼き豚の端材を混ぜて販売したこともあったという。
 このほか、04年ごろからは、豚のひき肉の色をよく見せるために、原材料に牛の心臓を混入。05年ごろからは安価で仕入れた冷凍フライドチキンや焼き鳥くしの賞味期限を改ざんすることもあったとしている。
 産地偽装の例としては、02年ごろから国産と表示した牛スライスに、オーストラリアやニュージーランド産を混入して販売した。同省の調査に対し、ミート社の社員らは、約24年前、大手鶏肉卸業者の袋を入手し、別の鶏肉を詰めて販売したこともあると証言。工場内からはこの卸業者の袋が1万5000枚以上見つかった。

で、例の発言が出てきます。


報道陣に「私がみな悪いんです。罪は償わさせていただきますので、申し訳ございませんでした」といったんは謝罪の言葉を語り、自宅に戻った。
 しかし、二時間後に再び姿を現した田中社長は「なぜそういう肉(偽装肉)を作らなければならなかったのか。(安い肉の注文が)どんどんと来るでしょ」と述べ、偽装に手を染めたのは、安い肉を求める食品メーカーの注文に応え、コストを切り詰めた結果だったことを示唆。「(食品メーカーは)最初から適正な価格で売ればいいじゃないですか」と批判した。
 さらに「偽装は他の会社でもよくあるのか」という報道陣の質問に、「そうなんです」と答え、不正があたかも、業界の体質であるかのような言葉も口にした。
以降も続々と出てきます。


「味がよい、量が増える、取引先のクレームが少ない、と三拍子そろい、社内では『化学調味料は万能だ』と言われていた」


ミート社の元役員らによると、幹部社員らが数年前、田中社長から肉の塊を食べさせられ、「何の肉か分かるか」と尋ねられたという。豚や鶏など様々な肉を混ぜて最後に牛脂を入れ込んだ肉だった。牛肉の味しかせず、素材を言い当てた社員はいなかった。田中社長は満面の笑みで「混ぜてしまえば逆にうまくなる」「発想力だよ、発想力」と言ったという。


このとき、会社の経営事態がとってもワンマンでアレだったことも記事になっています。


06年3月期の売上高は、前期比約12%増の約16億4500万円。しかし、経常利益は約8500万円にとどまる。それまで専務だった田中社長の妻の役員退職金として約8000万円を支払うなどしたため、当期利益は最終的に赤字になった。
 同社の元役員は「田中社長は『妻に1億円をやった』などとよく話していた。税金逃れだった」と指摘する。同社の5役員には息子らが名を連ねていて、毎年総額5000万円を超える役員報酬が支払われている。


通常の半値で買えたため、「どうしてこんなに安く買えるのか」と疑問に思い、田中社長の案内で苫小牧市内の工場を見学。「牛カルビ」の製造工程で、馬肉に牛の脂を張り付ける作業を目の前で見た。田中社長は「いろんな方法があるんだよ」と言うだけで具体的な説明はしなかったが、「すぐに牛肉ではなく馬肉と分かった」という。

・・・ここまで出てくるともうなんとも感想の持ちようがありません。この一連の流れについては、「安全なものを食べるには?」さんが継続的に追っておられます。面白い。