動物と共存するということ

知られているところですが、上記のようにチンパンジーをテレビ興業に使っていることに関しては批判も出ているわけです.数日前にもこんなニュースが出ていて、まあだから本当はどんな状況なのかなあというのも気になった訳ですが.


チンパンジーに服を着せて司会者役をさせるなどショー的な番組を放送するテレビ局2局と、チンパンジーを所有する2つの動物園に対し、国内の学者や動物園関係者らでつくるグループが8日までに「繁殖、保全の妨げになる」などとして改善の要望書を出した。
 チンパンジーワシントン条約で絶滅の恐れが高い付属書1に記載され、商業取引が禁止されている。国内でも種の保存法で譲渡を原則禁止し、繁殖や学術研究目的などに限り認めている。
 グループは「アフリカ・アジアに生きる大型類人猿を支援する集い(SAGA)」。
 要望書は(1)希少種のチンパンジーの飼育は繁殖、研究、動物園における教育的対象に限定するべきだ(2)極端な擬人化は本来の姿をゆがめて伝える(3)幼少期に母親や仲間から離し、不自然な姿勢や行動を伴う撮影をすることはストレスを与え、将来の繁殖に影響する―と指摘。番組やコマーシャルでの取り扱いを早急に見直すよう求めた。
たしかにもっともな指摘ではあります.個人的には「支援」という言葉とか、教育的対象はよくて娯楽対象はよくないのはなぜか、とかするっと受け入れられないところもあるのですが、もちろん商業主義で動物をいじるというのは責められこそすれほめられたものではないと思っています.猿回しだってしかりで、昔はよくても社会の成熟とともに段々受け入れがたくなってくるものもあって、だからそういう分野はひっそりとやっていくべきものじゃないかなあと思っているのですがね.けして、じゃあ猿回しが悪いのかとか、動物タレントは全廃すべきだとかいうことになるとそういうわけにもいかないんだろうなあとも思うんですよ.
 しかし、テレビであんなに露出して「人気者」扱いなのに、檻の中に入れられている、というのは心が痛むもんですね.しみじみ、人間は身勝手なもんだと思います.