町の中からバスが消える日

福岡といえば西鉄バスなんだが、高校の頃すんでいた町には、福岡にしては珍しく違う会社のバスが走っていました.貸切を格下げした大きくて丸っこい車体、ブルーグリーンのメトロ窓が連なる側面、後付された大きな前面方向幕には系統番号も無く裏道と旧街道を走っていました.
ふとニュースを見てたら、そんなバス会社が主要路線を一気に廃止する、というのがあってビックリ.


平成18年9月末を持ちまして、弊社瀬高線、両開線を廃止することで沿線自治体と合意いたしました。
弊社の柳川地区路線は昭和19年以来60年以上にわたって多くの皆様にご利用いただきましたが、マイカーの普及と少子化によりご利用いただくお客様が減少し、弊社としてもなんとか路線を維持すべく中古車両の導入や人件費の大幅なカットなど、様々な経費削減の努力を行って参りました。しかし運賃収入と運行経費のバランスをとることが出来ず、残念ながら廃止という決断をせざるを得ませんでした。
ご愛顧いただきました地元の皆様のご期待に沿えず、誠に遺憾ではございますが、今後検討されます代替バスなどで弊社としても出来る限りの協力を考えておりますので、
何卒、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
堀川バスは福岡県南部、久留米・柳川地区に路線を持つ中堅のバス会社、福岡では殆どが西鉄グループの中、珍しい存在でもあります.ちょうど俺の高校は久留米だったのですが、駅前にいくと一時間に1本ほど、ドロドロと時代遅れの古びた上記のようなバスがいましたっけ.最近は臨港なんかの中古車を積極的に導入し、久留米市内の路線の改廃などを進めていたと聞きますが、柳川地区から完全撤退するというニュース.
上記の堀川バスの公式ページに時刻表がありますが,幹線は1時間に2〜3本の本数があって決して閑散路線ということではないと思います.どこの地方都市もいまやバスなんてがらがら、瀬高や柳川も同じような状況だったんでしょうが、それでもそこそこのお客さんがいたからその本数を維持できたんでしょうし、その中でかなり思い切った行動に出たなあ、というのが本心です.
もちろん撤退しないでいてくれたら一番いいんでしょうが、おそらく自治体バスという形になるんでしょうか.新規参入・・・といっても事業者なさそうですもの.

こうして民間企業は去っていき、かわって自治体バスがこの10年で急速に増えつつあります.自治体バスといっても、本当に民間並みのフリークエンシーを実現させているところから、「病院にいく年配の居住者のため」「通学の小中学校のため」と割り切って、一日1本とか隔日運行とかのところまで様々ですが、地方では自動車交通が急速に普及し、公共交通機関は姿をけしてしまいました。それで不便になったか、といえばそうでもない、逆に便利になったというのが実情かもしれませんが、その中で置いていかれたもの、新しく出てきたもの、それらの足し引きはどうなんかなあと今でも思います.郵便局もいつかはこうなるんでしょうが・・・
俺は郵政民営化には反対の立場ではないんですが*1、ふと考えました。

*1:郵政民営化は財政の問題だと考えているので