町が変る、店が変る、色々と。

この連休中に、大手百貨店の三越は4店舗を閉鎖しています。


 売り上げ低迷で「創業以来最大」というリストラに取り組んでいる三越は、横浜、大阪、枚方大阪府)、倉敷(岡山県)の4百貨店を5日を最後に閉鎖する。小規模な6店は2月までに閉めており、これで店舗閉鎖は一段落。今後2年間を「新しい百貨店モデルの構築期間」と位置づけ、5月末に就任する新社長が営業改革の陣頭指揮をとる。
(中略)
 希望退職には募集枠800人を上回る約1000人の応募があった。リストラに伴う特別損失は約300億円に上り、05年2月期は40億円の連結当期赤字に転落した。今後は、仕入れ先に品ぞろえや店員派遣を頼らない自主運営の売り場を拡大するほか、専門店ビルなど新業態の開発に本腰を入れる。
たしか横浜店跡地はヨドバシカメラに(有楽町のビックのような居抜き形式でしょうね)、大阪店跡はマンションに(枚方・倉敷は未定)なるんだったと思います.なぜ5日のような連休の真ん中を閉店の日に選んだのかは分かりませんが、各店ともすごい人出だったことでしょう.特に三越のような古参の百貨店は外商部に代表されるように「店員−顧客のつながり」による所が大なだけに、閉店を惜しむ光景が繰り広げられたんだろうな、と思います.福岡にいた頃、名門百貨店だった福岡玉屋の閉店のときに行ってみた(純粋に冷やかしに)んですが、閉店時刻を大きくすぎてようやく流れ出す閉店の音楽、徐々に出口に向かって流れ出すお客さんの群、何処からともなく交わされる挨拶、ってのは、やっぱりいろいろあるにしろ店が支持されてきたところもあるんかなあと思うとぐっとくるものもありました.いやそんな光景がここそこで繰り広げられたことでしょう.

様々なサイトで閉鎖に至るそれぞれの事情などが詳しく述べられています.ざっくり言えば、老舗になりきれなかった、いつでも後塵を拝していた横浜、堺筋の衰退と阪神大震災、大阪北口移転への失敗で350年の歴史に自ら幕を下ろしてしまった大阪、郊外店舗に負け、衛星都市の百貨店になりきれなかった倉敷・枚方といった所でしょうか.いろいろな町があり、そこでの人たちの暮らしにどう溶け込むのか、どの層に主に働きかけて何を提案しようとするのか、綿密な想いと何かが必要だったのでしょう.
日経流通(RETAILTECH JAPAN)では「守りと攻め」ということで大規模投資に踏み込む高島屋と比較し、高島屋優勢という分析をしています.(ソース)個人的に百貨店というものに対してあまり思い入れはないのですが、ここのところ百貨店各社の個性がさらに明確になってきた感もあり、かなり興味深いです。