鉄道系スーパーの苦悩

鉄道会社系のスーパーがまた一つ姿を消します.


名鉄とフェニックスが共同出資する新会社「パレ」に対し、名鉄パレの事業と、その子会社でパン販売のフジ・レジャー開発(名古屋市熱田区)の事業を譲渡する。9月1日の譲渡を予定するが、譲渡金額は未定。新会社にはフェニックスが過半数を出資する。また、名鉄は、パレの再建のため、商品流通で総合的なノウハウを持つ三井物産との提携を予定している。
 名鉄パレは1965年に、名古屋鉄道のスーパー部門の会社として設立され、愛知県を中心に岐阜、静岡両県などで食品スーパーを中心に計27店舗を展開する。名鉄神宮前や西尾、西春駅に隣接した百貨店タイプの店もある。2004年2月期は売上高が573億円、税引き後利益が損失4600万円と2年連続の赤字だった。大手スーパーの積極的な新規出店で、業績が悪化していた。
姿を消す、といっても閉店するわけでも大手に取り込まれるわけでもなくただ資本が再生ファンドのフェニックスキャピタルの手に渡るだけなんですが、中小の食品スーパーの資本の移動が止まりません.鉄道会社がスーパーを経営することで、地元での鉄道ブランドや求心力の向上という効果があったのですが、競争激化の前には意義というのが薄れてきたんでしょうなあ.
それと同時にこういうニュースもありました.

イトーヨーカ堂は来年度から首都圏で食品スーパーの経営に乗り出す。総額で800億―1000億円を投じ、5年間で80カ所に食品スーパーを核にしたショッピングセンター(SC)を開発する。小売業の低迷が続く中、業績が堅調な食品スーパーはダイエーも再建の中核事業に据えており、競争が過熱しそうだ。
 SC全体の敷地面積は7000―3万3000平方メートルになる見通し。平均投資額は1店当たり十数億円。基本的な店舗構成は約2000平方メートルの食品スーパーをヨーカ堂が運営。ドラッグストアや衣料品などの有力専門店を独立した建物として同じ敷地内に隣接させ、通路などでつなぐ。歯科医など地域のニーズに応じたテナントもそろえ、安定的なテナント料収入を見込む。
イトーヨーカ堂がSC開発に本格参入、というニュースは聞いていました.
ヨーカ堂開発の大型SC「アリオ」、きょうオープン:フジサンケイビジネスi
が、イオンのような総合スーパーを核にしたSCではなく、食品スーパー中心、いわば名を捨て身を取るって所でしょうか.確かに衣料品とかまで本格導入したらテナントの売上にも影響しそうですし、逆にそれができるのもヨーカ堂の強さなんでしょうね.相変わらずスーパー業界は動きが激しい年が続いています.