西友、大丈夫?


15日発表の04年12月期の連結売上高は1兆315億円、経常利益が5億円、当期損益は123億円の赤字。期初計画は経常利益75億円、当期黒字5億円。昨年は1600人規模の希望退職を実施するなど高コスト体質の改善に乗り出し、約180億円の販売管理費を削減できたが、売り上げの落ち込みが大きく、計画は達成できなかった。
 同期の既存店売上高は4.6%減。衣料品の単価が26%下がるなど、店頭の商品の低価格化が進み過ぎ、上質品の品ぞろえが手薄になったことが響いた。ただ、ウォルマート流の改革を急いだことも不振の一因だった。
ウォルマートの資本下にある西友ですが、再建に思いのほかてこずっているようで、3期連続の下方修正と当期赤字を発表しています.3期連続ってあんまり聞いたことが無いですねえ、産業再生機構下のダイエーでも長崎屋でも聞かなかったような気がします。えーっと、りそなホールディングスがたしか3期連続じゃなかったかしら、って、りそな並みかい・・・
日本に来た際にはやたらともてはやされ、最近のダイエー支援の際にも有力候補としてまたも注目、期待されたウォルマートですが、日本では上手いところいってない、競合に対して先んじるところが見出せないという評価の様です.EDLPの推進、というのをメインに推し進めようとしているようですが、本家ウォルマートのやり方の「生産コストの小さな開発途上国で生産した商品を、店舗コスト、労働コストのちいさな店で売る」という方式がなかなかあてはまらない様子です.前半はすでに100円ショップなどでなされているところ、後半部分については日本ではアメリカほど安価な労働力(不法滞在の外国人がその主なんですが)を調達できない、店舗コストも既存店の引きつぎでそれほど安くならないですからね.
そして並んで有力な戦略にしている「ロジスティックス」ですが、こちらもまた、という様子.とりあえず「携帯端末の店員の教育に時間がかかって」という言い訳は前期も其の前も聞いたような気がしますもの.発注からなにから出来る、ということですが、大手スーパーならどこでもいまや手のひら大〜B4ノートほどの携帯端末で、在庫状況・リアルタイムでの販売数(時間別・天気別・・・)、仕入納期などのタイミングを見ながら発注と単品管理を行う、というのはやっていることです.コンビニだと1台のデスクトップPCを使えばすむんですけどね.ちなみに西友の端末は「テルゾン」と呼ばれる世界共通のものらしいんですが、そんなに難しいんでしょうか、操作.もしかしたらGUIじゃなかったり、メニューが全て英語だったりするんでしょうか.見てみたい.おそらく、アメリカなどの国では、レジを打つ人、とか発注をする人、と分担を作業軸で割ってあるのに対し、日本では普通に一人のパートさんが、レジを売って発注もする、というシステムになっているからじゃないかと.どっちのほうが「商売」として優れているかというと、後者のほうだと思うんですよね.
店舗レベルじゃないロジスティックスのほうですが、こっちもどうなんでしょうねえ.いわゆる「リテイルリンク」の方.

ビールメーカー大手数社が、1月からビール・発泡酒をオープン価格とし、取引量が多い卸売業者になるほど多額を支払ってきたリベート(販売奨励金)も廃止した際、卸売業者への出荷価格を引き下げ、新たに別のリベートを導入していたことが、6日明らかになった。
(中略)別の内部資料は「出荷価格の値下げは小売業者様へのさらなる値下げの原資ではありません」「出荷価格値下げ分は特約店(卸売業者)様の利益として蓄えていただけますようにお願いします」などと、卸価格の引き下げを露骨にけん制している。
様は、メーカー側が「既存チャネルは維持する」と言ってのけている訳で、国内メーカーの力がつよい日本国内ではかなり「物流の共同化、コストダウンによる価格競争力の強化」ってのも難しいのかもしれません.
とりあえず近いうちにいくつか西友の店舗を見てきますので、これはこの後続きます.