くらし全部、という幻想

sa-502004-08-10

へえ、まだやってたんだ.


松下電器産業トヨタ自動車など国内の大手企業五社による共通ブランド「WiLL(ウィル)」のホームページが七月末で閉鎖された。予想ほどブランド商品が売れず販売を今秋打ち切る社もあり、注目を浴びた異業種間プロジェクトは開始から五年で幕を閉じる。
 ウィルは新たなマーケティング手法の開発を目的に平成十一年に始まった。若者向け商品を各社が開発して、WiLLの統一ブランドで発売。共同で広告宣伝も実施してきた。
まあ五年も持ったというべきか、ていうか最近トヨタの新しい車以外にWiLLのマークの商品、見た事無かったぞ.近ツーなんて何に名づけていたのか一寸知りたい.
考えてみると、こういう「暮らし全部をひっくるめて一つのブランド化してしまって、スタイリッシュな生活を云々」という切り口は昔からあったが、基本的にうまくいった例は無いんじゃなかろうか.
ある程度軌道に乗っているのって「無印良品」くらいかなあ.それでも「無印っぽい」商品の台頭とかで、一昔前に比べると「部屋中無印」という人は減っているかと.あとコジマの「フレッシュグレイ」も思いついたが、アレって「安い」からなあ.一寸違うなあ.

消費者行動をひとくくりにして生活を「提案」し、というのは出来そうだが、尊大過ぎんですね.きっと.それにどんなキレイナ女の人でも家の中でもオサレサンだったりするわけじゃないもんね.
それよりも消費者は自らの価値観で動くということで、そこから先どうコントロールしていくかってのはやっぱり
お店サイドの問題なんですよね.
それにしても「旅行」に「車」に「チョコレート」ですか・・・

どう関連販売しますか?


小型車「WiLL Vi(ウィル・ヴイアイ)」など三車種を発売したトヨタは「爆発的ヒットというわけにはいかなかった」(広報部)と話し、今後新車発売の予定はない。
そりゃターゲット絞ってるんだから、爆発的ヒットはしないって.

PBがあって、よく判らない商品があって、NBがあって、店もこういう多層化をきっちりやっていろんなニーズに対応できるわけで.

ニュージェネレーションもだんだん年をとっていくわけで、その辺はどうかんがえていたんだろう?



5社は、来る21世紀に向けて、20代から30代の「ニュージェネレーション」層をターゲットに、「遊びゴコロと本物感」を共通のコンセプトとして、新たな消費スタイルへの適応と 新市場創出を目指し、新しいマーケティング手法を開発する為に、 業種を超えた合同プロジェクト 『WiLL(ウィル)』を発足させた。
参画する各社は、『流行や価格面だけにとらわれず、商品を「自分らしさ」を表現するものと捉えていて、「自分らしさ」に満ちた商品で生活空間を満たしたい、同一のトーンを持つ商品で身の回りを統一したい』と考えているニュージェネレーション層に合わせて、商品作りを進めている。
今読むと、なーんかコッパズカシイ.

私の身近な女性の間では、残念ながら知名度は低く、あまり話題に上っていないようである。

『WiLL』プロジェクト中で、売れ筋の商品の勝因はなんであろうか。

『WiLL』で身の回りを統一させたいという『WiLL』のコンセプトが受け入れられたというよりはむしろ、 その商品単体が魅力的であるから購入に結びついたのではないか。 また、『WiLL』の商品で生活空間を満たすには、まだまだ商品のバリエーションが不足していると言えよう。  

でも、白を基調にオレンジのスクウェアを配したデザインは、今のスタンダードの礎になっているわけで、全く無駄だったわけではないのか.結局それに乗じて「プロジェクトに入ってないのに、なんか似たような商品を出した会社」が一番得をしたんだろうか.