東京都写真美術館:奈良原一高展

奈良原一高といえばファッション写真を始め、昔から日本を代表する写真家であるが、彼の日本初の回顧展が行われた.


当時、早稲田大学大学院生だった氏の、人間を捉える鋭い視点は写真界に衝撃をもたらしました。その後、デビュー前の作品『無国籍地』を『ロッコロール』誌に発表。‘58年には閉ざされた環境を捉えた『王国』で更に注目を浴び、第2回日本写真批評家協会新人賞を受賞。その後、ヨーロッパ、ニューヨーク、東京と、次々に拠点を移しながら、『ヴェネチアの夜』、『ブロードウェイ』など今日まで様々なテーマの写真を世に送り続け、世界的な写真家として高い評価を得ています。また、最近ではデジタル写真にも取り組み、『Heaven(天)』では更に独自の境地を開拓しました。
・・・もうこれを書いているときには会期が終了しているので、紹介しても仕方がないのかもしれないが、行ってきた.
奈良原一高、といえばファッション写真界の重鎮、というか、とにかく写真の大家ということで、大体そういう人の作品というのはえらい頭でっかちというか、ライティングとかが小難しかったりして頭をひねらないといけない、と相場が決まっているので、そんなに期待していなかったんだが、回顧展ということで氏の若いころの作品が見れたのはよかった.
若くして海外に留学してたり、恵まれているといえば恵まれている状況なのだが、それよりもやっぱり写真が素直だ.みててすとん、と予想がつく写真というか、思ったとおりの視点になっていて大変心地よかった.昔の街角だったり、廃墟だったり、軍艦島だったり、被写体もオーソドックスだし、撮り方もクローズアップだったり広角のスナップだったり、王道で美しい.いやこういう成功した人たちがかつて撮っていたから王道になったのかもしれないけど.
というわけでやっぱり写真って楽しいな、と再確認.
思ったとおり、最近の写真、マックで合成してみたり、はつまんなかったけど.