これが東京だったら・・・


 明治末期に建てられた洋風建築物で福岡県大川市指定文化財の旧三潴銀行社屋(大川市向島)が、競売物件になっていることが11日、分かった。所有する福岡市のフェリー会社が経営難で民事再生法を申請し、債権者の県信用保証協会が福岡地裁柳川支部に競売を申し立てた。市民からは「貴重な文化財が取り壊される可能性がある」と懸念の声が上がっている。
 同社屋は、同県三潴郡を地盤としていた旧三潴銀行(福岡銀行の前身の1つ)が1909年に建設。2階建てで延べ床面積356平方メートル。れんが造りにコンクリートを塗り、外観は花こう岩でモダンに装飾してある。同時期に建てられた同市鐘ケ江の清力美術館(2003年より県指定文化財)とともに、建築ファンや市民に親しまれ、現在は市内の家具業者が借り、ショールームとして利用している。
 競売の入札期間は5‐12日で、売却基準価格は1234万円。同市教委によると、購入者に建物の保護についての法的義務はないという。同市は「市が購入する財政的な余裕はなく、新しい所有者に保護を願いたい」と話している。
 同社屋でイベントを開いたことがある同市の医師松田知愛さん(49)は「大川の文化財として最も誇れるものの1つが、壊されるようなことにならなければいいが」と心配する。
 文化庁によると、文化財の所有者が経済的理由で放棄し、現状維持できなくなるケースは少なくないという。
大川、といえば家具の街、つうか福岡でも南の目立たない小さな町だ.最近ではのだめ・・・だっけ、それがなかったらきっと東京ではまったく知られていないだろう小さな町だ.たしか高校のとき地理の授業で行ったっけ、とかそのあと福岡に住んでいた頃バイクでとおったことはあるよなあ、程度の小さな町.しかし小さくまとまっていても広大な筑後平野の中でぽこっとできた街はなかなか雰囲気があって、多分このあたりの富を集めていたんだろうなあ、というのが分かる町だった.
そんな町の洋館が危機だという.記事中民事再生を申請したという福岡市内のフェリー会社はここの様だが、たしかにこの業界も厳しいんだろうな、というわけだ.多分東京だと、いろんな保護とかの動きになるんだろうけれども、長崎刑務所といい、地方にとって「街の歴史」を維持していくのは年々難しくなっているような気がしてならない。