イオン、ポスフールへ店舗移管


 道内小売り大手のポスフールは2日、イオンから道内の大型店11店の事業移管を受けると発表した。増資により財務体質を強化すると同時に、共同仕入れなど規模のメリットを生かし、事業の立て直しを目指す。ただ道内は人口減少や消費の低迷、郊外型店舗の出店規制など逆風も強い。イオンの思惑通り、攻勢に転じられるかどうかは不透明だ。
 ポスフールは23日に40億200万円の第三者割当増資を実施。イオンの株保有比率は34%から53%(議決権ベース)になる。総合スーパー8店と、住生活や食品を扱う「スーパーセンター」3店をイオン本体から会社分割し、ポスフールに吸収合併させる。
 ポスフールは現在、大型店19店を展開し06年2月期の売上高は1201億円。イオンは大型11店で562億円で、合計30店で約1800億円になる。今回の事業移管を機に、10年後までに45店、売上高3000億円をめざす。
イオンがグループ戦略を見直す、というのが先日のニュースでしたが、第一弾として店舗の名寄せをするようです.北海道の大型核店舗を一気にポスフールに移管し、同時にポスフールの増資を引き受ける、ということです.

ポスフールの株価はずっと低迷していましたが、この件でぽんと跳ね上がって年初来高値、やっぱりそういう評価になるのかなあと思いますが、とにかく今後も関係各社に対して同じようなことをしていくんだろうなあ、と予測しています.いなげや、とか、グループ化した経緯がすこし違うような会社は別として、名前は違うけれども中身はイオン、どこもそういう感じになるんだろうなあ、とか.そう考えると、地方のスーパーの終焉というのがまた一つ、すこしさびしい気がすると同時に、やっぱり国内消費財に対するシェア10%というのは大きいなあ、それでいいんかなあ、と疑問にも思うのです.


福岡県ではGMS(総合スーパー)を主体に23店あるが、天神ショッパーズプラザ、福重、笹丘など魅力的な立地の店舗が少なくない。福岡県以外でも大型店のない鹿児島県はじめ、イオンの店舗とは比較的競合が少ないといわれる。ゼロから出店するのに比べはるかに安上がりにつく。
 ダイエー店舗の大半は老朽化し売り上げは落ちているものの、改装などのテコ入れをすれば売り上げ回復は可能というのが関係者の一致した見方だ。とりわけ、九州でイオンとことごとくぶつかってきたイズミに対し圧倒的な優位に立てる。
 3社提携が今後どう展開していくか、不透明さは残る。出資比率が15%のままだと、経営への発言権が限られ提携効果もせいぜい一部商品の共同調達や物流共同化程度に限られる。
 イオンの最終的な狙いは再建のめどがついた段階で完全にグループに取り込むことにある。当初は提携相手の自主性を尊重し出資比率も低く抑え、役員派遣も最小人数にとどめるが、段階的に支配力を強め、気が付いた時には完全に傘下に収めていた、というのが連邦経営を標榜した旧岡田屋以来の同社のやり方。この方法でイオン九州に合流したホームワイド、最近では関東の食品スーパー・カスミを傘下に収めてきた。
ダイエーの店舗があるのは今や関東・関西・九州のみ、その中でも九州でネット化されているのは元ユニード店舗があったり、子会社の「グルメシティ九州」があったりする北九州・福岡都市圏だけです.対してイオンはここ10年ほどで猛烈な出店を進めており、全国どこでも見られる風景が広がっています.そう考えると、福岡のダイエーも同じようなことになるんだろうなあ、という考え方もあるわけで、まだまだ動きが続きそうです.