車椅子マークの駐車場について

この数日、各サイトやらなんやらで比較的反響の大きかったようなのがこの毎日新聞の記事.


スーパーが込み合う土曜(4日)の午後、千葉県内の郊外型スーパーの駐車場で、車椅子マークを付けた車を追った。5時間で約30台が障害者用区画に止め、うち健常者らしい数台の運転者に聞いた。「足が痛い」「家族に外見で分からない障害がある」などと答えた人を除き、2台は障害者が乗っていないことを認めた。
 うち1台は若い女性の2人組。「(車椅子マークは)おしゃれで付けてます。ごめんなさーい」と笑って、店内に駆け込んだ。また、子どもを連れた女性は「足の悪いおばあさんがいる。今は乗せてないけど」と言って、車で走り去った。
 この日、千数百台収容の駐車場はほぼ満杯で、100メートル以上離れた区画まで車は列を成していた。しかし、入り口正面の障害者用区画は空いており、大多数はルールを守っていた。警備員の男性は「正直、障害者用区画の利用者で『そうかなあ』と思う人は少なくないが、聞くわけにもいかない」と肩をすくめた。
30台全てに理由を聞いても多分同じような結果になるんだろうなあ、と暗鬱とした気持ちになるんですが、たしかに車椅子マークの区域ってたいてい車が止まっていますよね.スーパーもひどいですが、高速道路のSAなんか一番ひどいような気がします.あいているのを正直見たことがない.完全に満車ならともかくも(だからなんだ、という話ですが)、他の区域に空きがあってもけっこうな高確率で車が留められているような気がします.大体、設置するほうには義務付けられている身障者用の駐車場、その判別マークとなっている(一般的に)マークに法的拘束力がないのならなんか矛盾しているような気がしますが.
 たしか俺のいるスーパーでは、こんな例があとを絶たないので基本的に許可制(カラーコーンで閉じておき、申し出ていただいて区域を開放する)だったり、常連のお客様には許可証を車外に提示してもらうとかそういう方法をとっていたような気がします.他にもこういうスーパーはありますが、もちろんいったん店内にご足労いただく(もしくは電話)ので、これまた矛盾しているのですが、勝手に止めるお客さんってかなりの数に上ることは事実な訳で、苦渋の選択といった感じです.近くのスーパーでもそうだねえ.
 すべての人がお客様、そういう訳には行かないとは思うのですが、それを前提に発達してきたのが大型スーパーというシステム.店内に入るとすべてベースは平等で、「買い物」という一つの欲求を満たすためにすべてが作られているだけの大きなシステムに他なりません.その欲求から外れるものはすべて排除されていく世界.他にどんな人が買い物に来ているか、そんなことはどうでもいいのです.
もちろん、駐車場には警備員も配置してあります.歩いてくるお客様の安全を確保するために、そしてお店にいらっしゃるお客様に一番最初に挨拶して好感を持っていただけるために.特に何かを強制させるということはもちろん出来ません.そしてその世界にも容赦なくコストダウンの要求は強まっています.シルバー人材センターだったり、派遣会社だったり.日々変わるようなメンバーにどの程度「車椅子スペースに、できるだけ対象外の車を止めていただかないように促す」なんて芸当が出来るんでしょうか.昔はそういう風になんとなく丸く治めちゃう人ってけっこういたような気がするんだけど、最近トンと見なくなりました.仕事をただ流す、そんなことで手一杯になってきているんでしょうか.
なんだかシステム化の行き着く先って感じでいやな話です.正直.