ダイエー、9店舗閉鎖

一連のリストラでこの数年で数十店の店舗を閉鎖してきた*1ダイエーが、本日付で9店舗を閉鎖します.


 経営再建中のダイエーは、新潟県の長岡店(長岡市)や兵庫県の明石店(明石市)など全国の不採算店9店の営業を31日で終え、閉鎖する。店舗閉鎖は産業再生機構の支援が昨年12月に始まって以降初めて。
 今後も40数店を閉める一方、首都圏や関西などには食品スーパーを約100店出し、店舗改装も進める。
 他に閉めるのは酒田店(山形県酒田市)、大和高田店(奈良県大和高田市)、香里店(大阪府寝屋川市)、佐世保店(長崎県佐世保市)、荒尾店(熊本県荒尾市)と、食品スーパー「グルメシティ」の諏訪インター店(長野県茅野市)、六甲道駅前店(神戸市)。
 このうち、諏訪インター店だけは地元のスーパー、ニシザワ(長野県伊那市)が引き継ぐが、他の跡地利用法などは決まっていない。社員は原則、他店へ異動させる。
これまでの一連のリストラでもうあまりに方向の違った閉店させやすいところは閉店させてしまったんでしょう.まだ新しかったり、地方都市の中核店だったり、歴史のあったりする店が多く並んでいます.酒田店って、たしか昔は百貨店の大沼酒田店じゃなかったか、大学のときに(もうダイエーだった)寄った様な気がするなあ.

この中にある香里店は1968年11月に開業した店舗ですが、日本初の大型SC(ショッピングセンター)としての輝かしい(?)歴史を持っていたと思います.


ダイエー香里店ができる以前、現在は「ジャスコ」となっている「シロ」が駅前にあった。無論、シロしか買い物するところがなかったわけだが、現在の「ダイエー商店街」が反目していてシロと相容れなかったし、シロも相容れようとはしなかった。そこを突いたのがダイエー
何と、自身の店の中に、商店街を組み入れるという「ショッピングモール」(ショッパーズプラザ)構想を打ち出した。しかもダイエー内の商店街に考慮した店作りを心がけ、さらに、外の商店街に考慮してむやみやたらに商圏を奪い取るようなことはしなかった。つまり、当時全く考慮に入れられていなかったスーパーと商店街の「融合」が図られたというわけ。すると、あっという間にシロから客を奪い取り、シロは瞬く間に潰れた。
これまで大型店はほとんど直営の売り場で建物を固めていたのだが、大幅にテナントを導入し、デベロッパ的役割もかねるようになって来たきっかけとなるのがこの香里店だったわけです.実際には、建物を作ったはいいもののあまりに広すぎて自前で売り場を埋めることができない、また自社は衣料品が不得手である、その対応として地元の商店に声をかけたというのが正直なところらしいんですけどね、結果として地域商店街とも比較的早くに共存することができたとかそんなことじゃ無かったかなあ.
それから35年が過ぎ、SC自体もだんだん変わってゆきます.いまやSCの中の面積の大部分は専門店街が占め、その専門店も全国規模のナショナルチェーンが次々と入る時代です.全国どのSCに行っても大体何パターンかあって、入っている店が決まっているんですよねえ.地方の小商店はもはや入る隙間が無いというのが現状になってきてるんじゃないかなあ.
跡地利用については、ほとんどダイエーは賃貸しているだけでしょうから、オーナーも踏まえた話し合いになっていくんでしょうね.オーナーとしては空き店舗でもなんでも、家賃収入さえあればいいということもあるのかもしれませんが、新しい町の力になるようなものができることを願わずにはいられません.
時代は変わってゆきます.ふとそんなことを思う閉店のニュースでした.

で、今日また閉鎖を発表.


新たに閉鎖が決まった店舗は以下の通り。
ダイエー】▽栄店(名古屋市)▽野間大池店(福岡市)▽原店(福岡市)
【ショッパーズ弘前】▽ショッパーズ弘前店(青森県弘前市
【十字屋】▽仙台店(仙台市)▽銚子店(千葉県銚子市)▽館山店(同館山市

*1:スーパーの一般論として特に多いとはいえませんが