ライブドア対フジテレビ、脊髄反射.

持ち上げたり落とされたり、ライブドアも忙しいなあ.単純に考えたらライブドア対フジテレビグループの「ニッポン放送株」を間に挟んだ、刺すか刺されるかの競争な訳ですが色々仕事上も勉強になることが多くて、教科書片手に見ています.そのうちだーっと流れと問題をまとめてみようとは思っていますが、今日夜のフジテレビの「日本版毒薬条項?」は唐突でビックリしましたよ.
一連の流れについてはとりあえず脇においておいて、ニッポン放送は発行済株式3280万株に対して、4720万株の新株予約権を発行し、フジテレビの子会社になる、という策をとったようです.アメリカで一般的な買収対抗策の"ポイズンピル"に似ていますが、あくまでフジテレビ、特定株主に引受権を限定しているのでちょっと違いますか.


新株予約権を発行し、フジテレビの子会社となる狙いは何か。
 亀渕「取締役には企業価値を維持、向上させる義務がある。ライブドアが親会社になった場合は企業価値が下がり、フジサンケイグループの一員である場合と比較にならないと判断した」
 −これで上場廃止のリスクが高まり、既存株主にとって株式の価値が下がるのではないか。
 天井「フジテレビの株式公開買い付け(TOB)の最中なので、株主は応募できる。買い付け価格の5950円で売却できるので、損をすることにならない」

うーん、TOBの過程なので流動株主なんてそんなにいないということですか、そうですか.TOBに応じて売却できるから損にはならない、という論理もよく分からないですが、「俺らニッポン放送という会社の社員じゃなくって、フジサンケイグループという会社の社員なんですよ.人事異動でラジオ部門というところに来たんだけどなあ」という本音が透けて見えるような気がして、この会見面白い.正直杉.
で、このあおりを受けてYahoo!Financeの掲示板も荒れています.まあ一般株主から見たらそりゃそうだな.このへんはどう考えているんでしょうか.そういえば、以前堀江社長が「ニッポン放送の大株主になったらすぐに増資をすればよい、そうすればフジテレビの影響力をそぐことができる、という旨の発言をよくしており、フジサンケイ側は発行差し止めの訴えを起こされた場合にこの発言を楯に反論する気のようですが、ちょっと違うよなあ・・・
ともあれ今回の事件、いろんな金融手法が次々出てきてしすげえ面白いんですけど、どっちもメディアとしてこうしたい、とかいう考えって見えてこないなあと思っています.どうしてこういうときだけ「公共性」が前面に出てきたりするんでしょう.堀江氏の買収そのものに対する考え方も支持できないけど、フジテレビの公式な理由にはもっと賛同できない、そんな気分です.