監督の映画を待ってました.

一番好きな映画は、と聞かれたら多分迷わず是枝裕和監督の「ワンダフルライフ」を挙げるわけで.氏の映像、淡い同系統で大体まとまっていて、なんか突き抜けるような透明感と空虚な感じ、その世界観がすごい好きな訳だ.もちろんストレートじゃないげど問題をどんと突きつけてくるようなやり方も.

で、監督の最新作「誰も知らない」を見に行く.
主役の柳楽君で一躍有名になった、誰も知らない.

東武練馬で、昼の部を飛ばして一日4回上映・・・・満員でした.

相変わらずタッチは淡白だし、見ていて涙が出てくることはなかったんだが、心の奥でなにかぐしゃぐしゃっとしたものが熱くなるそんな映画.

話はだいぶ違うのだが、一応まったくのフィクションではなく、元になったのが「1988年 西巣鴨子供置き去り事件」らしい.西巣鴨なんてほんのそこ、毎日通っている場所じゃないか.
一応調べてみたのだが、そういうセンセーショナルな事件は報道されやすいが忘れられやすいのか、まだネットが普及してなかった時代だからか殆ど事件についての詳細がわからなかった.
のちにここ(へんかわおいしいお役立ち日記)に詳しく載っているのを発見.

実際には本当に救いのない事件だったようだ.結局長男は妹を殺してしまったわけだし.
ただ、救いのないのはソレを許す社会なんだろうな、ということで、あの表現になったのか.

とにかく、静かでそれが悲しい、そんな映画でした.